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むささび通信

「言い換え」の不思議

新聞に、よく耳にするけど患者にわかりづらい医者の言葉100語
というものが載っていた。
国語研究所なるところが、言い換えを検討しているらしい。

予後、浸潤、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ADL(日常生活動作)
など、たしかになんだろ?という言葉だし、
よく「腫瘍マーカーが下がった」
と聞くけれど、マーカーっていうくらいだからなにかの目印なんだろうな
くらいにしか思っていなかったが、
実際、医者に当たり前のように話されてはいるがわからない人が多かった
ということなんだろう。
聞くのもはばかられる雰囲気もあるだろうし。

それにセカンドオピニオン、ターミナルケア、ガイドライン、
インフォームドコンセントなど定着しつつあるが、
日本語で訳せるようなものもある。

でもその100語の中には悪性リンパ種、インフルエンザ、喘息、脳死、
白血病、心筋梗塞、腎不全、糖尿病、動脈硬化、肉腫、熱中症、
慢性腎不全、鬱病などの病名、
ウイルス、ステロイド、ノロウイルス、リスク、ポリープ、など
いったいこれはどう説明するのか?っていうものも入っている。
なのに風邪、筋腫、浮腫(肉腫は入ってるのに)なんかはない。
どういう基準で選んでいるのかわからないなぁ。

当たり前だが、漢字には意味がある。
鬱病の「鬱」は気がふさぐという意味だし、
これをどう言い換えるというのか。
「誤嚥」も「嚥下」に飲みくだすという意味がちゃんとあり、
それを誤ってしまうというのは器官とか肺に入るんだな、と
想像できる。
動脈硬化だって読んで字のごとし。
辞書にだってのってるぞ。

数年前から気になっていた言葉に「障がい」がある。
いつのまにか「障害」だったものがひらがなに変わっていることが多い。
「害」がマイナスイメージということで
変わったんだと思うが、「害」をひらがなにしたのでは
それこそ意味がさっぱりつうじないはず。
(「障」だってさまたげること、
じゃまをするという意味で充分マイナスイメージだし)

「痴呆」から「認知症」の言い換えといい、表面上の
言葉だけ変えても全然意味ないと思うんだけど・・・。
どうも言い換えをしたり、漢字をひらがなにしたりと
どこぞの連中が、一見ソフトなように見せて、どんどん国民を
阿呆(これもつかっちゃいけないんだっけ?)に
しようとしてるんじゃないかと勘ぐりたくなるよ。
「言い換え」の不思議_e0134219_182524.jpg

by musasabi-sapana | 2008-07-08 18:25 | その他もろもろ
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