医学と芸術展/森美術館
古代から人間は自分の身体を小宇宙ととらえ研究を重ねてきた。
そしてなぜ病気になるのか、なぜ年をとるのか、なぜ死ぬのか、 これは現在まで綿々と問われ続ける永遠のテーマ。 この展覧会で感じるのは昔の人の方が純粋にその「不思議を知りたい」と 思っていただろうってこと。 ダ・ヴィンチをはじめ様々な医学者や画家が描いた人体の詳細なスケッチや 解剖を医学者だけでなく一般に人にも見せる「解剖シアター」からもうかがえる。 そして「愛でる」という気持ちも。 17〜8世紀(だったか?)に解剖の授業で使われたのではないかと言われている 象牙の人体のミニチュア。(なんのためのものか真相はわからないそう) 彫刻のような人体のお腹部分がパコッとはずれて中には臓器が入っている。 解剖学のためにしては象牙を使うのは贅沢だし、クッション のようなものに寝かされ、宝石箱のようなケースに入っている。 コレクターもいたというから、お酒でもちびちびやりながら臓器の出し入れをしていたのか!? また手術道具なども持ち手に彫刻がしてあったり、義足や義手が造形的だったり、 人体全てに畏敬の念があるからこそ美しく作っていたような気がする。 翻って現代。 医学と科学が進んで病気の治療法が進み、DNAが解析され、 なんだかずいぶんいろんなことがわかったような気に(?)なっている。 そして科学と医学の進歩は「人の幸せのため」と疑わない。 一度敷いてしまったこのレールを後戻りはできないし、 オリンピック選手の記録更新のようにひたすら進むしかない。 でも人は治らない病気にかかるし、年をとり、いずれ死ぬ。 この矛盾の溝をどこまで埋めるのかなぁ。
by musasabi-sapana
| 2010-02-23 13:53
| 映画・本・美術
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