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むささび通信

ヨロンマラソン2

落ち着かない2週間だった。
気分が落ち込んだり、気持ちがざわざわしたり。
ここはいっちょ走るか、と寒空の下8kmほどジョギング。
鉛色の雲、時折降る小雨、決して楽しい数十分というわけではないけれど、
ぷくぷくしたこぶしの花や少し膨らみ始め
緑味を帯びてきた桜のつぼみを見ながら立ち止まったりと
いくぶん気分転換にはなった。

もう忘却の彼方にいきつつあるヨロンマラソンだが
書いておこう。

朝5時起床。
というか夜中はほとんど眠れず。
でも薬が効いたせいか起き上がってみると昨日よりはよい。
まずは朝ごはんを食べてからどうするか考えよう。
(と、結論を伸ばすのだ)
大会は8時からなので6時には食べ終わっていなくてはならない。
食卓につくと、昨夜より食欲も戻ってきているのがわかる。
ほぼ完食をする。
それでも座っているだけでもやっとの状態で
過酷な42kmは無理だ。

フルマラソンのコースは島内20kmをまず1周、スタート地点から
15分ほどの折り返し地点で同じ来た道をもどる。
幸運なことに宿はスタート地点から3分。
せっかくなので20kmのハーフだけ走ってやめて宿に戻るという手もある。
時間をお金をかけてここまできたのだ。
昨日見逃した絶景も見たい。
ああ、もったいない、もったいない。
どうするか・・・・・。
結局棄権することにした。
どうやっても半分(いや10kmでも)走る自信もなくなったからだ。
そうと決まればチームトロ5人の応援だ。

7時40分過ぎ、スタート地点の会場に向かう。
天気は上々、気温が上がりそうなのがやや心配。
会場では選手達がぞくぞくと集結している。
フルとハーフで600人づつ合計1200人くらいなので
35000人もいた那覇マラソンとは全く雰囲気の違うこじんまりした大会だ。
ヨロンマラソン2_e0134219_10174725.jpg

8時にスタートすると選手の列は数分の間に視界から消えた。
さて、次は折り返し地点に行ってみよう。
9時15分頃にはトップランナーが来るはずだ。

島全体がマラソンでお祭りムードとはいえ、スタート会場や商店街から
少し離れると民家と畑で人の姿をほとんどみかけず、
いるのは昼寝をしたりぶらぶらする猫ばかり。
ヨロンマラソン2_e0134219_10182999.jpg

日差しが強いが風はさわやか、どこからかラジオの音だけが聞こえてきて
南の島のムード満点。
9時前に折り返し地点に到着。
ぽつぽつと応援の人、関係者の姿が見える。
ヨロンマラソン2_e0134219_10185822.jpg

ぼーっと待っていると、声をかけてくる人がいる。
「あぁ、やっぱりだめだったんですか・・・」
どこかで見たことがあるようなと思っていたら昨日の薬局のお兄さんだった。
「あれからどうしたかなあって思ってたんですよ。力不足ですみません」
「いやいや、そんな。風邪ひいたこっちが悪いんです」
「ぜひ、また来年出てくださいね」
なんてやさしいんだ・・・・。
というかこの島の人はみんなやさしく親切だった。
応援をしていると、隣のおばちゃんたちは飴をくれたり、
椅子がわりのビールケースをすすめてくれたり。

9時20分過ぎ、「まもなくトップの選手がきます」の案内。
しばらくののち、ゆるやかな下り坂の向こうからタッタッタッと
リズミカルな足取りで選手がやってくる。
少し紅潮気味の顔の若い男性だ。
「がんばれ〜!もう少しで折り返しですよ〜」
手拍子と声援、おばちゃん達がアルミのひしゃくやペットボトルを
がんがん叩いて応援する。
トップランナーに続くこと数分、ぽつぽつと選手がやってくる。
やはりきついコースらしく、汗びっしょりで息をきらしている。
でもこちらの声援に答えるように手をあげたり
「は〜い。ありがとうございま〜す」と返事をしてくれたり
ほほえんでくれるのがうれしい。
応援もなかなか楽しいものだ。

さてわがチームトロはどうか。
スタートから1時間50分頃、森さんがやってくる。
「いやあ、きついきつい」と言いながらも颯爽としてるんだな。
さすがサブ4だけあって余裕がある。
そこから2〜30分後、佐川カントクだ。
いつもの淡々とした表情で走ってきて、去って行く。
さらに2〜30分後、岡田さん。
苦しいはずなのにいつも楽しそうなのはなぜだ?
笑顔で近づいてきて「タオルもってる?」
お腹に巻いたタオルが汗でびっしょりらしい。
ずっしり重くなったタオルを受け取り、ちょうどガーゼっぽいタオルを持っていたので渡す。
「あと半分だよ〜。がんばれ〜」
さて、残すところ、あとはちょんみょん&トロさん。
この二人はスタートから3時間ほどでほぼ同時にやってきた。
トロさんから汗でぐっしょりのアームウォーマーを渡される。
日差しがどんどんきつくなり、体力も奪われそうな気温だ。
それでも二人とも案外元気そうだ。

あとはゴールで待つばかり。
ぶらぶらとゴール地点に着くとぞくぞくと選手が到着する。
遠くから走ってくる選手に向け、スピーカーからは
「ゴールはあともう少しですよ〜!」
「おつかれさまで〜す!今○○番の選手がゴールで〜す!」
とアナウンスが流れている。
ゴール付近には地元の高校生達が数メートル両脇に並んでいて
選手はハイタッチをしながらゴールする。

今までは自分が走るのに精一杯で他の人を見る余裕がなかったけど、
今回はじっくりと見ることができた。
いやあ、ゴールする選手のいい顔といったら。
生還できたという安堵感、42、195kmを走れたという達成感、
家族の誰かや友人との約束を果たせたという充実感などさまざまだろう。
普段は案外悪事をたくらんでいたりするかもしれないけれど(?)
この時ばかりはそんなものは吹き飛んでいるはずだ。

感慨にふけっているとスタートから4時間12.3分後、
予想どおり森さんが一番乗りでゴール。
途中で脚がつったりと今までで一番つらかったらしい。
とはいえ、4時間ちょっとで走れるんだからさすがだ。
そして30分ほどたって佐川カントク。
これまた淡々とゴール。
でも疲労困憊の様子が見てとれる。
続いて数十分後、岡田さん。
ゴールの100メートルくらい手前で待っていたら
やっぱり笑顔で走ってきた。
いつものマイペースな感じだ。

この時点でスタートから6時間ほど。
おそらくトロさんとちょんみょんはまだ到着しないだろう。
ことらも暑さでやや体力が消耗してることもあり、一旦宿に戻る。
ところが実はその小1時間の間に記念すべきトロさん初ゴールを見逃していた。
7時間ぎりぎりで行けばいいよね、と佐川さんらとたかをくくって
いたのだけど、6時間45分ほどでゴールしていたらしい。
みんなが笑顔でやったね〜!と迎えてくれると
喜びいさんで戻ってきたのに、ゴールに着いたら誰もいなかった・・・(笑)
それでも4度目の挑戦にして初完走できたトロさんは
とてもうれしそうだった。
なんたって名前がチームトロだもんね。
ヨロンマラソン2_e0134219_112156.jpg


あとはちょんみょんだ。
7時間少し前、ゴール手前100mほどのところで待つ。
向こうからブルーのTシャツ、鮮やかな緑の短パン姿が見える。
最後とは思えないほど早いペースだ。
「もうちょっとだよ〜」
笑顔で手をふりながらゴールをめざして走っていく。
メンバー5人、無事完走。
みんなで記念撮影。
ヨロンマラソン2_e0134219_11621100.jpg


走れなかったのは非常に残念だったけど、賢明な選択だったと思う。
というよりどう考えても5kmも無理だった。
その分、応援も楽しいということもわかったし。
でもこのリベンジはどこかでしなくては。
しかし3回のフルマラソンのうち、前回は水分とり過ぎの体調不良、
今回は熱、とどうも根本的な体調管理がだめだなぁ。
by musasabi-sapana | 2011-03-24 11:12 | マラソン
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