むささび通信

テロとのたたかい

オバマ大統領の2期目が始まった。
就任演説を読むと、その中に「戦争の10年は終わりつつある」という一文がある。
2001年の9.11を発端に、ブッシュ時代に始まった
イラク・アフガンでの戦争はベトナム戦争より長かった。

そして2011年、オバマ大統領は勝手に
「戦争終結」宣言をして部隊を引き上げた。
だけど勇ましく対テロとの戦いを唱え、
必ず撲滅できると思っていたテロは10年以上たっても
全くなくなる気配はないし、
アフガンもイラクも状況がよくなる兆しはない。
それどころか武装勢力のテロは今回のアルジェリアでの人質事件のように
世界中に広まってしまった。
残念ながらテロも戦争もきっとなくなることはない。

最近読んだ「勝てないアメリカ」はまさに今の世界情勢を伝えている。
戦費、米国内での安全対策費、退役軍人に支払う医療費、障害給付金などで
総額約4兆ドル(370兆円)、アメリカ兵、両国の治安部隊の死者数が3万人。
民間人犠牲者、武装勢力も含め、死者は25万人以上になるらしい。

そして金銭的、人命共これだけの多くの犠牲を払っても
結局テロの撲滅には結びつかなかった。

アメリカのような軍事大国は無人機やロボットを使い、
ハイテクな戦術を使うのに対し、
武装勢力側は超ローテクの地中に埋めた
1000円もしないような手製爆弾で応戦する。
一見ハイテクな方が圧倒的に勝つように思える。
ところがどこに埋められているかわからない爆弾は
兵士を恐怖のどん底に陥れる。
1台4800万円以上もする巨大な装甲車を装備しても
重さに反応して爆発する爆弾で一瞬にして吹き飛ばされたりと
暗闇の中を手探りのなか進むような状態で
戦場での兵士は絶えず緊張を強いられる。
たとえ金属探知器や火薬に反応する探査犬を使って
除去したとしてもまた別の場所に爆弾を埋められて・・・と
延々といたちごっこが続く。

また一般の市民の中でも反米の感情を持っていたり
10ドル程度の報酬で爆弾を埋める手伝いをする人もいるという。
今回のアルジェリア人質事件でも
プラント現場内部に武装勢力側と通じていた者もいるらしく、
誰が敵か味方か疑心暗鬼の状態になる。

お金をかけずに持久戦に持ちこんで有利にもっていきたい武装勢力側と
大金を使って早期に終わらせたい欧米など軍事大国側の戦いは
どうやっても勝てなかったベトナム戦争の世界拡大版のように見える。
(もちろんベトナム戦争の時とは趣旨も違うけれど)

現代のネット社会もアルカイダなどの世界に散ってしまった
武装勢力には有利になっている気がする。
本来は地域ごとに違った組織でも
欧米に対して徹底的に戦うことを共通項に、
ネットを駆使してあらゆる地域の武装勢力同士が連携して
情報を共有しているという。

オバマ大統領の演説のもう一つの文。
「他国との違いを平和的に解決する」
莫大な戦費と時間を使っても解決しないということを
ようやく今になってわかってきたのだろうか?
今回のアルジェリアの事件に関しては干渉しないようだ。
墓穴を掘るのは二の舞だもの。

ひるがえって日本。
またいつもの「自衛隊派遣を!」の
声が高まりそうな気配だ。
派遣だけでなく、武器の行使まで認めさせようとしている。
そうなったらますます海外にいる日本人は標的になってしまう。
武力に武力で対抗してもだめだということがアメリカを見れば
一目瞭然だろうに。
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by musasabi-sapana | 2013-01-23 16:03
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