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むささび通信

映画/ネブラスカふたつの心をつなぐ旅

「100万ドル当たりました!」のインチキ手紙を信じて
はるばるネブラスカまで受け取りにいこうとする老人と
だまされていることは知りつつ、その長旅につき合う息子のロードムービー。

若い頃からお人好しだけど大酒飲み、年とともに頑固になる父親。
多少認知症気味になりつつもある。
(とはいえどこまですっとぼけてるのか正気なのか
わからない感じではある)
オーディオ店を経営するも不況で仕事もイマイチ、同棲相手にもふられた
冴えない40歳前後の息子。
このかなりパッとしない二人が車でモンタナ州から4州をまたいで旅をする。

途中、父親の故郷に立ち寄るのだけど、100万ドルを手にすることを知るや、
親戚やら旧知の友まで態度が変わる。
最初祝福したそぶりをみせたと思ったら、昔貸した金を返せだの、
あなたの父親の借金はみな私たち親戚が払っただの、
たぶん万国共通の行動。

いやな面もみるけれど、父親が母親と結婚する前につき合っていた彼女に
再会したり、父親が戦争に行っていたことを聞いたり、
モンタナまで来た母親の昔のモテ話(下ネタも多い)を聞かされたり。
当たり前だけど、子供は両親は生まれた時から親であり、
彼らの若かりし頃などは知らないのだ。
息子も初めてといっていいほど、両親の過去を知る。
二人にもこれまで歩んできた長い人生があることを。

モノクロ画面のアメリカの広大さと自然が美しい。
走っても走っても続く一本道。
ぽつんぽつんとしかない家。
町には古きよきアメリカといった香りも残っている。

驚いたのは登場人物があまりにリアリティありすぎ。
息子の元彼女は典型的な田舎にいそうな
きれいでもなんでもない太めの女性。
え〜っ、こんな女に復縁を迫るか!?

そして父親の兄弟の家にいる無職の息子たち。
これまた太って頭はからっぽ、図体だけがでかい。
彼らがリビングで親戚一同(みんな年寄り)集まって
会話らしい会話もなくみんなボーっとテレビ(スポーツ)を観るシーン。
アメリカはヒスパニックなど移民が多いので
比較的若い国と言われているけれど、
白人は間違いなく高齢化が進んでいる。
こんな場所で年寄りばかりになったら
いったいどうやって暮らしていくのだろう?
そして文明は発達したけれど、人間は確実に劣化が進んでいる。。。。
口は悪いけれど、そうしみじみと思ってしまう場面だ。
役者、演出がうますぎる。。。

痛快なラストはもちろん心地よいけれど、
リアルな田舎のアメリカの一面を垣間みた気がした。
映画はコチラ
by musasabi-sapana | 2014-03-02 21:20
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